カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

デジタルゴールドは「守りの資産運用」として利用できるのか

デジタルゴールドとしての将来性は?(イメージ)

デジタルゴールドとしての将来性は?(イメージ)

 昨年から価格が急上昇し、再び注目を集めるビットコインだが、投資家の中には価格上昇を狙ったトレードに限らず、金(ゴールド)と同様の役割を期待して保有する人もいるという。はたしてビットコインは金のように活用することはできるのだろうか。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんがビットコインと金の特徴について解説する。

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 金は昔からリスク回避資産と呼ばれ、投資家の中には金融危機などで景気が後退する時に、資産を現金で保有するのではなく、金の現物に置き換える人もいます。実際、景気が悪くなると金価格が上昇するというケースはこれまでも何度も散見されています。

 最近では「デジタルゴールド」として、仮想通貨(暗号資産)の中でもビットコインが金と同様のリスク回避資産としての役割を持ちうるのではないか、と一部投資家から注目を集めています。ビットコインの発行枚数は2100万枚という上限が設定されており、金も世界に存在する総量に上限があるといわれています。発行上限があるビットコインは金と同じく希少価値が生まれ、リスク回避資産としての性格を持ち合わせている、という考えです。

 米モルガン・スタンレーではビットコインに投資するファンドが登場し、また米ゴールドマン・サックスでは顧客向けにビットコインのデリバティブ(金融派生商品)を提供しています。こうした世界の大手金融機関の影響もあり、ビットコインの認知度は広がりつつあるといえます。さらに多数の投資家が市場に参入すれば、供給量が限定されている分、その価値が長期的に上昇する可能性は十分あるでしょう。

 コモディティは、需要と供給のバランスで価格が決まります。需要が変わらなくても供給が減少すれば価格は上昇する仕組みで、原油や天然ガス、鉄鉱石などを考えればわかりやすいかと思います。モノの価値は欲しい人と売りたい人のバランスで変わるというのはマーケットの基本です。ビットコインが金などと同様、コモディティとしての顔を持ち合わせているのであれば、供給量の制限によって、価格上昇が期待できるというわけです。

 一方で最近は、デジタルゴールドに移行していた資金を、現物の金に戻そうとするフローも見られます。直近のビットコイン価格が下落しているという背景があるわけですが、このフローが本格化すれば、足元で調整安が進んでいる金価格が再び上昇に転じるかもしれません。

 ビットコインは今後大きなプロダクトになる可能性はありますが、まだ歴史も浅く、金と比較すると値動きも大きく、資産を保全するために利用するのには困難な側面もあるでしょう。やはり現時点では、金のほうがリスク回避資産として選好されると思います。

 私はビットコインの取引は行っていませんが、大きな資産を動かす投資家の動向は他のプロダクトにも影響を与える可能性があります。そうしたことから、他の金融商品を取引している投資家も、ビットコインなどの仮想通貨市場の動きを注視しておくとよいでしょう。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

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