外壁や玄関先、浴室など、ブラシで磨いても汚れがなかなか落ちずに困った……。そんな時に頼りになるのが「高圧洗浄機」だ。テレビショッピングなどでその実力を目にして、思わず購入してしまったという人もいるかもしれない。時間と労力をかけずに、強力な水圧で汚れを効率良く落とせるすぐれものだが、実際に使ってみたら「うちには合わなかった……」とお蔵入りしてしまうケースもあるようだ。憧れの高圧洗浄機のどこが合わなかったのか。購入前に吟味すべきポイントを考えるべく、実際の利用者たちの失敗談を紹介しよう。
年末の大掃除で使ったら「水が冷たくて寒い…」
数年前、60代の両親が大掃除のため購入したという高圧洗浄機。IT企業に勤める30代女性・Aさんは当時、両親が期待に胸を躍らせていた様子を振り返る。
「ホームセンターから大きな高圧洗浄機を買って帰ってきました。もともとテレビショッピングで、その性能を知った母が『ほしい』と常日頃から言っていたんです。母におねだりされて、ホームセンターにしぶしぶ訪れた父も、実演でその性能を体験して感動し、買ったようです。両親とも、『魔法の機械がやって来た』みたいな感じでかなりはしゃいでいました」(Aさん)
家事を一切しないタイプだった父親だが、定年退職後は家事を手伝うようになり、特に掃除は張り切っていたそうだ。早速、その年の大掃除に購入したばかりの“新戦力”が投入された。
「父は『まかせろ』と意気込んで、浴室、外壁や玄関先などに使っていましたが、かなり苦戦したようです。まず、買ったものが冷水専用だったので、冬に使用するには水が冷たく、寒いと(笑)。しかも大きくて重たいうえに、機械の振動で手がしびれて疲れるみたいで、つらそうでした。あと、広範囲となるとやはり時間がかかっている印象で、相当時間も水も使いますからね。購入した時はあんなに楽しそうだったのに、いつの間にか父の笑顔が消えていました」(Aさん)
大掃除の後、父親は体調を崩し、完全に寝正月になってしまったのだという。その後、父親が高圧洗浄機を使用する姿を見なくなったというAさん。さすがに一度の使用でお蔵入りはもったいないと思い、夏にも使用した。
「今度は父の代わりに私が夏に使ってみました。室内ならまだしも室外で使うのなら、夏の暑い時期に濡れてもいいと割り切って使った方がいいのかもしれません。ただ、うちのものは大きすぎた。出すのもしまうのも億劫で、掃除が楽になるといっても、それまでの準備が面倒でした(笑)。私が実家を出た今、高圧洗浄機はお蔵入り。物置にしまってあります。そのうちフリマサイトに出そうと思います」(Aさん)