2023年に入ってから、日本市場にも大きな影響を与える米国市場は堅調に推移しているようだが、はたして今後の動向はどうなるか。そのカギを握るのが、1月末から2月にかけて行われる決算発表だ。そこで見るべきポイントはどこにあるのか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんが、次の決算で注目すべき企業とそのポイントについて解説する。
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2023年最初の決算発表のピークが迫ってきました。日本でも米国でも1月末から2月にかけて多くの企業が決算発表を行います。そのなかで特に注目したいのが、米国の主力企業「GAFAM」(Google、Amazon、META、Apple、Microsoft)各社の決算と決算後の株価動向です。なぜGAFAMの決算に注目が集まるのでしょうか。3つの理由を挙げて解説します。
【1】影響力(時価総額)が群を抜いて大きい
2023年1月現在の世界の時価総額ランキングを見ると、上位5位までにMETA以外の4社が入っています。また世界中の企業にGAFAM関連銘柄が多く存在しています。世界における影響力があるということです。
米国市場に対する影響力も大きくなっています。NASDAQ総合指数の上位100銘柄で構成される「NASDAQ100」という指標がありますが、GAFAM5社の時価総額が占める割合は50%を超えています。
【2】NASDAQ指数が他の指数に対して出遅れている
GAFAMの株価は現在、低迷しています。前途した通りGAFAMはNASDAQ指数に与える影響が大きいため、米国市場の主要3指数(NYダウ、S&P500、NASDAQ)の中でもNASDAQの上昇率の低さが目立っています。具体的な数字で追っていきましょう。
米国主要3指数の昨年来安値(2022年10月13日のザラ場安値)から2023年1月13日の終値までの騰落率を比較すると、NYダウで19.86%、S&P500が14.53%なのに対して、NASDAQ総合指数は9.82%と、明らかにNASDAQが出遅れています。
決算発表は株価の変動が起こりやすいタイミングです。もしNASDAQが決算発表を通過した後に上昇し、他の指数に上昇率が追いつくようなことになれば、米国株全体が上がっているというポジティブな見方に変わる可能性があります。その鍵を握るのはやはりGAFAMの決算と言えそうです。