トイレも同様です。体育館や公民館など避難所となる施設にトイレ自体はあります。でも日常より多くの人が使いますし、そのうえ、掃除がままならないためすぐに詰まってしまう。避難所開設から2~3日もたたずにトイレは使用禁止となるケースが少なくないのです。
のどの乾きや排泄といった生理的現象の我慢には限界があるもの。「水」と「トイレ」はまさに、防災の第一歩と覚えてください。
(後編につづく)
【プロフィール】
辻直美(つじ・なおみ)/国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾代表理事。阪神・淡路大震災を経験し、実家が全壊したのを機に災害医療の道に。現在はフリーランスのナースとして、「災害は怖いけど防災はオモロイ」をテーマに講演や防災教育を行うほか、後進の指導にも注力。主な著書は『プチプラで地震に強い家づくり』(扶桑社)、『保存版 防災ハンドメイド 100均グッズで作れちゃう!』(KADOKAWA)。最新刊(監修)『地震・台風時に動けるガイド』(メディカル・ケア・サービス)が3月末に発売予定。