行事の規模がどんどん拡大していく
3年以上もの間、行事がなかったことで、予想外の事態にも直面した。計画や準備をどのように進行したらいいかについては、役員に経験者がいないせいで誰ひとり分からなかったのだという。マニュアルなどの引き継ぎ資料はコロナ前のもので情報が古く、判断に迷う部分も多いそうだ。
幼稚園側に相談すると、「皆さんお忙しいと思うので、大規模なものでなくて大丈夫ですので」としか言われず、多くの役員が頭を悩ませる事態となった。
「私たちが行事のことで悩んでいることを知った卒園生の保護者の方たちが、わざわざアドバイスをしに来てくれたんです。最初はありがたいと思ったのですが、逆に面倒な方向へと話が進んでしまいました……」
卒園生の保護者たちは、「久しぶりの行事だし、レクリエーションを盛りだくさんにしたら楽しそう」「私たちの代の夏祭りは近所の子供たちも招待したよね」などと提案が重なり、どんどんスケールの大きい話へと進んでいってしまったのだという。
「どの役員も『いいんじゃない』『楽しそうだね』と賛同しかせず、気付けば過去最大レベルの行事のボリュームになってしまいました……。内心は『面倒だな』と感じている人は多いと思うのですが、卒園生の保護者たちを前にして『規模を縮小して行いたい』なんて、言える状況ではなかったんです」
役員仲間からの「まさかの言葉」
勤めに出てはいないものの、家事や育児に追われる日々を送るカスミさん。これからも頻繁にPTAの打ち合わせに顔を出さなくてはいけないと思うと、うんざりだという。そんな状況に追い打ちをかけるような出来事が起こる。それは、カスミさんをPTA役員に誘ったママ友からのまさかの言葉だった。