そうした目的のために収積所の当番などがゴミ袋の中を調べ、注意をする限りで名前を確認するような場合には、正当な理由があるとしてプライバシー侵害にならないと解されることもあると思います。
程度問題ですが、ルール違反がひどい場合には調査を受けることを受忍しなければならないといえそうです。
しかし、興味本位でゴミ漁りをする場合には正当な理由はなく、プライバシー侵害の不法行為責任を負うことになります。ただし、見られた後での責任追及も実際には困難です。
ゴミ出しはルールを守って行うことが第一です。とはいえ、プライバシー侵害の心配がある環境下では、重要書類をそのまま捨てるような危険なことは避けるだけでなく、例えばダイレクトメールの宛名部分を細かくカットするなどの自衛手段を講じることも生活の知恵です。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2023年6月29日号