店の印象を左右するのは、接客の良さや食事のおいしさだけではなく、「トイレの綺麗さ」も重要な位置を占めるようだ。実際、日本トレンドリサーチがユアマイスター forbizと共同で実施した「お店のトイレ汚れに関するアンケート」(対象:全国の男女1000名、調査期間:2023年7月31日~8月3日)によると、「お店のトイレの綺麗さが気になる」と回答したのは93.8%にものぼった。
一方で汚い場合、「お店のイメージが悪化する」が82.8%。「次からそのお店を利用したくないと感じる」という人も66.1%だった。
トイレは客側にとって店選びの重要なポイントの一つであることがうかがえる。一方の店側にしてみれば、トイレをめぐるトラブルが絶えないことに頭を悩ませているという。飲食店のトイレで何が起こっているのか──。店員たちにトイレトラブル事情を聞いた。
掃除した後にすぐクレーム
カフェバーで働く20代男性・Aさん。しっかり掃除をしていても、クレームが入ることがあるという。
「トイレ掃除にはもちろん気を遣っています。それでも、掃除直後にトイレに入ったお客さんが汚したことがあり、次に利用したお客さんに『トイレが汚いんですけど!!』と大声で喚かれてしまいました。
一人使用するごとに掃除するわけではないので、たしかにそういう事はあり得ます。でも、他のお客さんは食事中ですし、そんなに声をはらないでも……と思いました」
トイレ掃除の中でも、Aさんが一番嫌なのは客の吐瀉物の後始末だ。
「大便器の中に吐いていたり、床に散乱しているのはマシな方ですよ。男子トイレで小便器に吐かれると、たまったものではありません。使えなくなるうえに詰まるし、においも取れませんからね……。掃除が通常よりも大変だし、精神的にもつらくて地獄です。吐くなら、せめて大便器の中に綺麗に吐けとどれだけ思ったことか」(Aさん)