とはいえ、離婚では復氏が原則で、婚氏続称は例外ですから離婚後、婚氏続称を選択した者の婚姻前の氏への変更が「やむを得ない事由」に該当するかは、一般の氏の変更よりも緩やかに解されるべきとされています。もちろん、恣意的な変更は認められません。
すでに婚氏は、あなたを特定する呼称として定着しているでしょう。墓に入れてもらえないとの個人的な事情での許可は難しいと思います。しかし今後、元の氏を通称として事実上使用し、使用実績を積み、周囲で定着した場合には、許可される可能性があります。
名字が違った場合、墓に入れないかは墓地の規約で判断され、その定めがなくても、墓の権利を有する人の判断によります。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2023年12月15日号