岐阜県羽島郡岐南町の小島英雄町長(74)が、3月5日付で辞職した問題。第三者調査委員会で女性職員へのセクハラなどが認定されたが、そこで注目を集めたのが女性の頭をポンポンとなでたり、軽く叩くようにする「頭ポンポン」という行為だ。「頭ポンポン」といえば、元来小さな子供の頑張りを称えたり慰めたりする行為で、小島町長は「私どもの時代ではなでてもらった」と述べているという。
一方で、女性たちからはセクハラ行為であり、不快感や嫌悪感を抱くという声が多数聞こえてくる。なぜ認識の差が生まれているのか。「頭ポンポン」について、“被害”を受けたことがあるという女性たちの声から探った。
弱そうな女性だけを狙ってくる「完全にセクハラ」
都内の私立大学に通う女子学生・Aさんは、バイト先の飲食店の店長から何度も、頭を「ポンポン」されたことがあるという。
「人手不足や急な欠勤から、私がシフトに入ることが増えた頃でした。忙しかった日の閉店後、店長から『ありがとう』という言葉とともに頭をなでられたり、ふいに頭をポンポンされることが何度もありました。褒めてくれるのはいいんですけど、なぜ体に触れてくるのか意味がわかりませんでした」
Aさんは、その店長が“誰にでも頭をなでる”人なのかどうかを確かめようと、店長の言動を注視してみた。すると――。
「バイトには、ほかにも男子高校生とか、大学生の女性もいたのですが、触ってくるのは私にだけ。気持ち悪かったです。褒める行為だというなら男性含め、全員にやればと思いました。今考えると、明らかにいちばん弱そうな人を狙っていたのではとしか思えません。完全にセクハラですよね」
Aさんは、「頭ポンポンは、ものすごく限られたシチュエーションで、限られた人からだけ許されるのでは」と言う。
「家族や彼みたいな特別な関係性で、かつこちらが弱っている時、みたいなシチュエーションならまだ理解できますが……でも私の記憶にある限り、両親からも彼からも頭ポンポンされたことはありません(笑)。親が『えらいね』って頭をなでるのも、5歳ぐらいまでなんじゃないですかね……」(Aさん)