さまざまな商品やサービスを提供するコンビニエンスストアが日本に登場して、今年で50年となる。その歴史を振り返った第1回につづき、第2回からはセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、デイリーヤマザキのコンビニ4社の特徴を紹介。今回は、国内の店舗数2万1535店(2024年2月末現在)と、コンビニ業界では最大規模を誇るセブン-イレブンについてお届けする。【全5回の第2回。第1回から読む】
目次
新しい日本の食文化を作った
「セブン-イレブン・ジャパンの強みは多々ありますが、特筆すべきは“食”へのこだわりです」
とは、コンビニジャーナリスト・吉岡秀子さん(「」内、以下同)。その姿勢は創業初期の1978年、コンビニ業界初の手巻おにぎりを販売し始めたときから変わらないという。
「パリパリののりをご飯と別のフィルムに包み、食べる前に巻くという画期的な包装と手頃な価格、そしてもちろん味のよさから、不動の売れ筋商品となったのが“おにぎり”です。ツナマヨネーズをはじめとしたアイディア具材やイクラなどの高級具材、もち麦入りや産地にこだわった米など、家庭では作り出せないおにぎりを、時代のニーズに合わせて開発。それまでは家で作るものだったおにぎりを、コンビニで“わざわざ”買うものにまで進化させたのです」
そんなセブン-イレブンの真骨頂が、2010年に登場したプライベートブランド「セブンプレミアム」の最上級シリーズ「セブンプレミアムゴールド」だ。
「特にこのシリーズの総菜は、専門店レベルの味と品質にこだわっており、それが、基本的に電子レンジで温めるだけで食卓に出せます。そのため調理が時短できるのに食事に対する手抜き感がないと、多忙な働く女性を中心に爆発的にヒットしました」
セブン-イレブン・ジャパンのこだわりが、“コンビニ食=おいしくて時短にもなる”という認識に変えたといっても過言ではない。