生活に欠かせない存在であるコンビニエンスストアが、日本に登場してから今年で50年となる。その歴史を振り返るとともに、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、デイリーヤマザキのコンビニ4社の特徴を紹介。今回は、「ナチュラルローソン」「ローソンストア100」を含めて、国内1万4650店(2024年1月末現在)を構えるローソンについてお届けする。【全5回の第3回。第1回から読む】
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時代の一歩先行く挑戦を続ける
コンビニジャーナリストの吉岡秀子さんが解説する。
「ローソンといえば、コンビニ店舗内に初めて揚げ物を調理するためのフライヤーを導入し、店内で揚げたての温かい『からあげクン』(1986年~)を提供して大ヒットさせたり、『プレミアムロールケーキ』(2009年~)に代表される、お手頃価格で高品質のスイーツを売り出し、“コンビニスイーツ”の流行を定着させてきました。
それだけではなく、他社に先駆け、健康色を強く打ち出した商品戦略で時代を先取りしてきたのが、大きな功績だと思います」(吉岡さん・以下同)
その戦略を体現したのが、美と健康を考えたライフスタイルをサポートする新しいコンビニとして2001年にオープンした「ナチュラルローソン」だ。
「美と健康にいい商品を取り揃えてはいるけれど、高価格帯の商品が多い印象があり、当初は浸透しませんでした。それがこの20年で時代がローソンの“最先端のチャレンジ”に追い付き、いまでは人気店に。都市部にしかないので、探してでも買いに行きたいという客が若者や働く女性を中心に増えています」
ナチュラルローソンでヒットした商品が、全国のローソンで発売されることもあるという。
一方、ナチュラルローソンの対極として、「100円おせち」など、リーズナブルな商品を揃えたのが「ローソンストア100」。コンセプトに合わせてさまざまな形態のコンビニを展開しているのもローソンの特徴といえる。