では、管理員として現に働いている“70代女子”はどう感じているのだろう? 会社は全国の地域ごとに年1回、すべての管理員を対象に研修会を開いている。都内で去年12月に開かれた研修会には首都圏一円から1000人を超える管理員が集まった。そこで70代前後の女性たちに話を聞いてみた。佐賀ひとみさん(仮名)は66歳。神奈川県に住まいがあり、5年前からここで働いている。
「この仕事の魅力ですか? 自由なことですね、いろんな意味で。自分で働く時間が自由に選べますし、収入をどうするかも自由だし、いくつまで働くかも自由。元気なうちはずっと働ける。高齢者って働く場が限られたり、なかったりすることが多いので、いくつになっても自分が夢を持ってお仕事できるのが魅力です」(佐賀さん)
求人に“65歳の壁”がある
佐賀さんは以前、別の会社の総務部門で働いていたという。どうやってこの仕事を見つけたのか?
「ネットです。Indeedというアプリで、『定年がない』とか『時間が選べる』とか、そういう言葉をいくつか入れたんです。そしたらここがヒットしたんですね」
高齢者でも働けるところに魅力を感じたという声は多い。4年前に働き始めたという女性は「前の仕事を65歳の時に辞めたんですけど、その年だとなかなか次の仕事ってないんですよね。65を超えてるってだけでお断りって。でも家計の都合でどうしても働きたくて、アプリで探して見つかったのがここでした」と言う。
この日の研修では参加者が6~7人ほどのグループに分かれ、「居住者に喜ばれるプロの清掃とは」というテーマで各自が気をつけていることを付箋に書き出した。それを集めてグループで討議を行い、内容をまとめてグループごとに報告する。その中で、付箋のある言葉に目がとまった。
管理員の仕事は「居住者へのサービス業」
「小姑の目で清掃」
書いたのは“70代女子”の一人だ。どういう意味を込めたのだろう?