音楽や動画のサブスクリプションサービスの普及と入れ替わるように、利用者が激減しているレンタルサービス。この状況のなかでTSUTAYAの閉店ラッシュが続いている。閉店した店舗数は、約5年間で500店舗以上。渋谷のランドマーク的存在だったセンター街入口のSHIBUYA TSUTAYAはレンタルサービスを終了し、カフェ&ラウンジ事業やイベントスペースなどを展開する旗艦店として、4月25日にリニューアルオープンした。
近所の店舗がCD販売をやめて、CDを買わなくなった
TSUTAYAの各店舗の閉店や事業リニューアルは時代の流れに沿ったものと言えるが、一方でTSUTAYAをはじめとするレンタル・リユースショップの事業転換に伴い、エンタメに対する向き合い方が変わったという人もいる。都内に住む自営業のAさん(40代男性)はこう話す。
「近所のTSUTAYAがありがたかったのは、CDやDVDが欲しいと思い立った時に、サッと行ってサッと買えるところ。深夜も開いているし、テレビで曲が流れて、“このCDほしい”と思ったときに、買いに行けるのが良かったんです。元々私は、CDやDVDなどの“現物”を手元に置いておきたいタイプということもありますが、わざわざ大きなCDショップに行く必要もなく、“欲しくなったときに買える場”だったTSUTAYAは重宝していました。
でも、近所のTSUTAYAがCDとDVDの販売をやめたことで、それらを購入する機会は激減。現物へのこだわりも徐々に薄れ、サブスクを利用するようになりました。儲からない事業を続けてくれというのはおかしな望みだということもわかりますが、正直なところ、個人的にはもうちょっとTSUTAYAにはセル事業を頑張ってほしかったという気持ちもあります」