マイホームは人生の中でも一、二を争う高い買い物。一生に一度の買い物で失敗をしないためにはどうすればよいのか。さくら事務所会長の長嶋修氏がマンションにまつわる様々な「落とし穴」を実例とともにまとめた新刊『マンションバブル41の落とし穴』から、新築マンション購入時の内覧でチェックしておきたいポイントを解説する。
* * *
新築マンションの専有部分を見る場合のポイントを挙げていきます。
新築のマンションだと、すべてが新品なので、細かくチェックしなくても大丈夫だろうと思われがちですが、実際には不具合ゼロはまずあり得ません。
マンションが完成する前に契約した場合、内覧会が重要になってきます。通常、内覧会の後はもう引渡しになってしまうので、内覧会で隅々までチェックし、不具合があれば申告しましょう。後で見つけても対応してもらえるものもありますが、アフターサービスには期限や範囲が設けられているので、早めに見つけて対応してもらったほうが安心です。
通常、専有部分については基本のプランがあり、それをベースに設備機器などの仕様変更や間取りの変更などの希望を上乗せしていきます。内覧会では、設備や間取りが事前に依頼した通りになっているか確認を。頼んでおいた設備がついていない、あるいは別のものがついている、なんてことはよくある話です。
傷や汚れは引渡し後に無償で補修してもらうことができないので、気になるものがある場合には、内覧会の時点で伝えるようにしましょう。
ドアや棚は必ずすべて開け閉めを。新築だと、何となくそっと開け閉めしたくなるかもしれませんが、普段の力加減で動かしてみてください。がたつきがあったり、重く感じたりしたら申告します。また、床鳴りもよくあります。スリッパで歩くとわかりづらいので、素足や靴下で歩いて確認してください。
音関係でよくある悩みは、やはり近隣住戸の騒音です。たとえばタワマンは、遮音性が高いイメージがあるでしょう。実際、外の音は遮音するのですが、外が静かな分、建物内部の音がコンクリートの骨組みを伝わってよく響く傾向があります。
これは不具合ではないので、事前のチェックで解決できる問題ではありませんが、タワマンに住んでみたら意外とうるさかった、というお悩みは「あるある」です。子どもやペットがいて、音が気になる人は「タワマンなら静かだから大丈夫」と過信しないほうがいいでしょう。