災害時の不安が大きい
商社勤務の50代男性・Bさんは、「災害時が不安」という理由で大手キャリアを使い続けている。
「格安SIMに乗り換えた人たちが、通信速度が遅い、この時間帯やあの地域では通信品質が良くない、というような情報共有をしているのをよく聞きます。そういう意味で、いざ災害時につながらなくなったら怖くて不安です。通信インフラは大事。価値観は人それぞれですが、個人的には。お金で安心を買っている感じです」
夜の使いたい時間に通信速度が遅くなりキャリアに出戻り
元のキャリアに出戻りした人もいる。不動産会社勤務の30代男性・Cさんは、大手キャリアから格安スマホに乗り換え、現在は再びキャリアに契約し直した。自身の経験から「2台目なら、格安SIMもいい」と話す。
「昼休みや夕方から夜の使いたい時間に通信速度が極端に遅くなるのがネックでした。安いからから仕方ないことだと思いつつ、少しでも通信品質が良いと聞けば、その事業者に乗り換えていましたが、結局速度の低下が感じられました。それで、イライラするくらいなら、お金を出した方がいいと考え方が変わり、キャリアに戻ることにしたんです」
格安SIMから大手キャリアに戻ったCさん。「結局は使い方」だと言う。
「安いものにはそれなりの理由があるわけです。あまり通話をしないとか、即レスが求められないような場合は格安で十分かもしれないけど、そうでない人はキャリアのほうが安心だとは思いますね。僕の場合、仕事用のスマホはキャリアで、プライベートの2台目とかなら格安SIMでもいいのかもしれないと思います」(Cさん)
回線契約の自由度が増したことで、事業者の提供するサービスは千差万別に。そんな時代だからこそ、大手キャリアならではの通信品質の安定性と安心感が、かえって魅力に映る人もいるようだ。(了)