Aちゃんの親は、「自分からやめたいとは言えないけど、塾で禁止になったということであれば全員納得するしかないから」と説明したという。結局、塾長が下した決断はAちゃんの親の依頼どおり『全面禁止』だった。
「その学年だけお菓子禁止にするわけにもいかないという判断ですが、トバッチリは他の学年で、かわいそうなことをしているなと思います。問題の学年が卒業してしまえば、ルールも撤廃できるかなとは思っていますが……」(同)
「うちの子がゲームしないように見張ってて」
同様の「○○禁止」といった例は他にもある。都内の進学塾で働く木戸さん(仮名)の塾では「ゲーム」が禁止となった。
「前までは、子供たちは塾の授業が始まる時間前に集まって、教室でゲームをしていました。授業中にやられるとたまりませんが、進学塾なだけあり、勉強は真面目にしています。ただ、親からはゲームの時間を決められている子もいるみたいで、ある日、生徒の親から『塾でうちの子がゲームをしないように見張っててくださいと』というお願いが来ました。
そうはいっても講師が休み時間に見張っているわけにもいかない。結局、スマホでのゲームを含めてゲーム類はすべて禁止にしました。厳罰化するわけではなく、禁止であることを伝える程度ですが、講師だって休み時間は授業の準備や採点など、やることはてんこ盛り。子供のお守りができずに親から文句を言われるぐらいなら、全面禁止にした方がいいですから」(木戸さん)