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【悠仁さまと東大推薦入試】一流学者との共同論文に「特権」批判は妥当なのか 推薦入試の現場を取材して見えてくる別の風景

悠仁さまの「トンボを題材とした学術論文」(はじめに)

悠仁さまの「トンボを題材とした学術論文」(はじめに)

推薦入試は「お金持ち優遇入試」なのか

 一方で2024年6月12日配信の「デイリー新潮」では、この論文が「世間からあらぬ批判を招いている」と報じた。

 まず、研究の主題が「赤坂御用地」という一般人が容易には入れない場所を対象にしていること。もう一つは、トンボ研究の第一人者である清拓哉氏と共同で論文を書いたという点だ。

 論文は「皇室特権」を利用した産物で、推薦入試を見越した“実績作り”ではという疑念を、世間に抱かれてしまっているのではないかというのだ。

〈金持ちの子弟が高名な専門家を雇い共著論文を執筆してもらえば合格できてしまう〉

 このような批判があると記事では報じている。この記事は話題になり、配信されたYahoo!ニュースでは1000を越えるコメントがつき、ジェンダー学の第一人者で武蔵大学・社会学部の千田有紀教授もコメントを寄せている。千田教授のコメントを一部引用する。

「悠仁さまの東大推薦入試の利用は、AO入試などの総合型選抜の問題点を浮き彫りにすることになりました。他の人ができない経験や成果は、本人の才能や努力によるのはもちろんですが、それにしても経済資本や社会関係資本(いわゆる伝手やコネ)が大きくものを言います」
「一般受験をされることが一番スッキリするとは思うのですが、どうなのでしょうか」

 私もかつてならこの記事やコメントを読んで、「その通りだ。推薦入試はお金持ち優遇入試だ」と思っただろう。しかし、この春以降、集中的に推薦入試全般を取材してきた記者としては、違う事情が見えてきたので述べていきたい。

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