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【悠仁さまと東大推薦入試】一流学者との共同論文に「特権」批判は妥当なのか 推薦入試の現場を取材して見えてくる別の風景

悠仁さまの「トンボを題材とした学術論文」(はじめに)

悠仁さまの「トンボを題材とした学術論文」(はじめに)

立派な実績があれば推薦入試に合格するわけではない

 多くの人がこう誤解しているのではないか。

――高校時代にスポーツや探究活動などで立派な実績があれば難関大の推薦入試に合格する。

 実際にはそうではない。今、難関大の推薦入試では、一般選抜同様に「大学に入ってちゃんと勉強ができる能力があるか」を受験生に問う。

 仮に悠仁さまが仮に東大の推薦入試を受験され、「赤坂御用地のトンボ相」の論文を探究学習の実績として提出するとしよう。

 その場合、審査をする教員が評価するのは論文全体のクオリティではなく、受験生である悠仁さまが「この論文作成の過程でなにをして、どんなことに着眼、考察し、それを活かして大学でちゃんと学べるか」だ。

 論文作成の中での悠仁さまの主な役割は「赤坂御所でのトンボのデータ収集」である。論文には2012年からのデータが載っている。今から12年前だから、悠仁さまが小学校に入る前から、積極的にコツコツと調査をされてきたことが分かる。高校生が12年間もひとつのテーマで調査をしてきたことだけでも注目に値することだろう。東大の推薦を受験されるとしたら、長年の調査を元にした「悠仁さまの着眼点や考察」なども評価の対象になる。面接試験では具体的な調査方法の詳細を確認したり、大学でなにを学びたいかをヒアリングしたりし、それらを総合的に評価する。

 もちろん、清氏のような研究者と交流があれば、アカデミックな視点や論文の書き方、様々な知識を得ることはできよう。しかし、そこからなにを学び、どう考え、それをどう大学での学びに結びつけるかを評価されるわけで、立派な論文を清氏と共に書いただけでは評価はされない。

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