投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月29日~8月2日の動きを振り返りつつ、8月5日~8月9日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1757.71円安(-4.67%)の35909.70円と大幅安。日米金融政策に絡んだ売り圧力が強まり歴史的な急落となった。7月30-31日に開催された日本銀行の金融政策決定会合では、「国債買入額を現在の月6兆円から26年1-3月に月3兆円程度に減額」「0.25%までの利上げ」をそれぞれ発表。事前に伝わった通りの内容だったことで市場の反応は限定的だったが、15時30分から開始された植田日銀総裁の記者会見にて「経済・物価見通しに沿って動けば、引き続き金利上げていく」とタカ派な発言を受けて、為替は1ドル150円台まで円高が加速した。
その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で8会合連続の金利据え置きを発表。記者会見にて、パウエルFRB議長が9月利下げ開始を示唆したことで日米金利差が縮小し、為替は1ドル148円まで急伸。週末は、弱い米経済指標で景気悪化懸念が強まったことや米ハイテク株のさえない決算などが材料視されて、日本株が急落。一時「米、対中半導体輸出規制から日本などを外す」と報じられたことで買われた東エレク<8035>、アドバンテス<6857>など半導体株などが急落したことから、日経平均は2216.63円安の35909.70円と1987年10月20日のブラックマンデー以来、史上二番目の下落幅となった。
なお、7月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を5525億円売り越したほか、TOPIX先物を2135億円売り越し、225先物は5920億円売り越したことから、合計1兆3580億円の大幅な売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を4882億円買い越すなど合計で6485億円買い越し。なお、信託は合計で3590億円買い越した。
7月の日経平均は前月比1.22%安となったが、上下の値幅(終値)は4556円とコロナショックが発生した2020年3月の4792円以来の値幅となった。日経平均は今年初めて200日移動平均線を割り込んだほか、25日移動平均線との下方乖離率は9%を超えるなど売られ過ぎ感は強いが、日経平均VIが29ポイント台まで急騰するなど投資家心理は急激に悪化。1日と2日のプライム市場の売買代金は6兆円を超えたことから、セリングクライマックスと考えることもできるが、反発のきっかけが欲しいところだ。