「こんなの常識でしょ?」→「それって明文化されてますか?」
職場を例にとってみよう。大人が「これがまじめな社会人のマナー」と考えるのが、以下の行動だ。
●メールの文頭に「○○様」や「お世話になっております」をつける
●若い社員が率先して電話に出る
●若い社員から先に挨拶をする……
「50代以上の人なら『皆これまでやってきたことだし、こんなの常識でしょ?』と考えるでしょう。ところが、若手としては『それって明文化されていましたっけ? 一つひとつお願いされてもいないのに、やらなかったらふまじめだと思われるのはおかしい』というのが本音です」
若者は大人を「ルールは守らないのに暗黙の常識に従わせようとする」と感じ、大人は常識に従わない若者を「ふまじめだ」と断じる。いったい、どうすれば折り合いがつくのか?
「大事なことはルール化し、シビアに遵守しましょう。それが公平でまじめな振る舞いだと思います。
部署内やグループ内の小さな決めごとでも、“こうする”と決めたら明文化して全員に周知し、やらなかった人に対してはしっかり注意する。若い人は、ルールだと納得すれば、気持ちよく従うはずです。
『言わなくてもわかるだろう』とか、人によって対応を変えるといった一貫しない態度がいちばんダメです」
ルールに関しては、若者の方が合理的でまじめだったのだ。
次のページ:若い人の話やものの見方を楽しむ