あくまでも“感想”であり、誹謗中傷ではないという認識のAさんだったが、推し活専用アカウントのタイムラインは徐々に殺伐としてきたという。
「自分と近い感覚のファンアカウントをフォローするので、自分と同じような愚痴がタイムラインに流れてくるんです。結構ひどい言葉で愚痴を投稿する人もいて、それに見慣れてくると、自分の投稿も激しくなっていって、いつしか“暴言アカウント”に……。応援するためのアカウントだったはずなのに、タイムラインを見るたびにイライラするようになっていきました」
推し活専用アカウントが精神的な負担になりつつあると感じたAさんは、そのアカウントを削除し、“表のアカウント”のみに投稿するようにした。
「表のアカウントは友人も会社の人も見ているので、愚痴なんて絶対に投稿できません。趣味のことをまったく投稿しないわけではないですが、投稿する前に必ず『これは大丈夫かな?』と考えるようになりました。反射的に投稿することも一切なくなり、平和です」
普段言わないことは投稿しない
アカウントを1つに絞ることで、誹謗中傷になりかねない投稿を回避できたAさん。しかし、SNSに本音を投稿することもなくなったという。
「リアルな生活と直接結びついているアカウントなので、普段言わないような本音をSNSに投稿することもまったくなくなりました。感情的になって投稿しなくなったので、投稿へのハードルがかなり高くなりました」
SNSへの投稿頻度が下がったAさんだが、SNSでイライラすることはほとんどなくなっている。
「愚痴が投稿されるアカウントをフォローしなくなったので、タイムラインが平和ですし、ネガティブな感情もあまり湧きません。自分では大丈夫だと思っていても、誰かが見て不快ならアウトだということを自分で学びました」