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【南海トラフ地震が起きたらどうなる?】経済損失は“東日本大震災の16倍以上”の試算 「全国的な食料品不足」「株価もマンションも半値」の予測も

 不動産価格の下落リスクもある。

 建物の倒壊被害は四国、近畿、東海地方で大きいとされ、それらの地域では復興に時間がかかる事態が懸念される。加えて、遠く離れた首都圏の不動産も、倒壊などの被害を免れたとしても、その価格には影響が出そうだ。

 東京湾に面した都内の区部でも最大で3メートル近い津波が想定されている。不動産ジャーナリストの榊淳司氏は言う。

「東日本大震災の後も、埋立地である千葉の新浦安と海浜幕張は液状化の被害でマンション価格が下がった。その後、東京の有明、豊洲、晴海といった湾岸エリアで多数のタワマンが建設されましたが、そうしたところには津波による停電リスクなどがあり、エレベーターが停まるなどの被害が出ると物件の印象は大きく損なわれる」

 過熱気味のタワマン相場が崩れるきっかけになり得ると榊氏は見る。

「現状が高すぎるので、半値になってもおかしくない。東京だけではなく、静岡以西の想定震源域では、東日本大震災級の大災害を経験した大都市は神戸ぐらいで、名古屋や大阪にある旧耐震基準の建物の価格が急落する可能性がある」(同前)

 南海トラフ地震は広範な地域で想定震度が大きい。トヨタを頂点にした自動車関連企業が集積する愛知県のほか、世界的なメーカーがある京都府や滋賀県などで震度6強~7が想定され、生産設備損壊のリスクに直面する。1995年の阪神・淡路大震災では京都や滋賀、大阪でも震度4~5程度だったので、それを大きく上回る揺れに襲われ、被害が出る可能性がある。

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