被害が大きい名古屋では2058万円の所得減
前出・藤井氏は、各都市で労働者がどれだけの所得を失うかを推定している(2020年累計値)。
「最も被害が大きいのが名古屋で、2058万円の所得減がもたらされ、これに大阪の1758万円、神戸の1340万円が続き、さらに広島、横浜、京都と広い地域で損失を被ることになる」
大企業の生産が滞れば、下請けの中小企業の稼働も停滞する。
「2次・3次請けの連鎖倒産があるでしょう。世界トップの半導体企業である台湾のTSMCが日本に工場を建てるなどの動きがあるなかで南海トラフ地震が起きれば、生産機能を再び海外に置くよう切り替える動きが活発化し、多くの雇用が失われる事態も懸念される」(平野氏)
甚大な被害が日本列島を襲うことになるのだ。
※週刊ポスト2024年8月30日・9月6日号