投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月19日~8月23日の動きを振り返りつつ、8月26日~8月30日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で301.60円高(+0.79%)の38364.27円と上昇。38000円台を回復した日経平均は、8月1日以来の水準まで値を戻したが、プライム市場の売買代金が4兆円台を割り込むなど商いは減少。投資価格別売買高で38000円台のボリュームが圧倒的に多いことから上値は重くなった。
一方、為替は21日に1ドル144円台まで円高ドル安が進む場面も見られたが、23日に行われた衆議院金融財政委員会の閉会中審査にて、植田和男日本銀行総裁は「引き続き金融市場は不安定な状況にある」「当面はその動向を極めて高い緊張感をもって注視していく」と述べたほか、「経済・物価の見通しが我々の思っている姿通りに実現する確度が高まると確認できれば、今後、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な姿勢に変わりない」と説明。
7月31日の記者会見での発言とほぼ変わらない内容だったことで、為替市場、株式市場ともに警戒感が強まったが、午後の参議院財務金融委員会では、「(内田日銀副総裁の金融政策の考えと)違いはない」と説明したことから、安心感が先行。週末の日経平均は38300円台で取引を終えた。
なお、8月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1849億円買い越したほか、TOPIX先物を1329億円売り越し、225先物は38億円売り越したことから、合計482億円の小幅買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を3918億円売り越すなど合計で4498億円売り越し。なお、信託は現物を289億円買い越した。
日経平均は20日以降、25日移動平均線をしっかり上回って推移しており、75日移動平均線が位置する38642円水準が目先の上値抵抗として意識されている。38000円台前半は4月から6月にかけて3カ月ほどもみ合ったことなどが影響して、価格帯別売買高ではボリュームが突出している。
戻り待ちの売り圧力が強い価格帯に対して、プライム市場の売買代金が連日で4兆円を割り込む程度の商いでは、取引時間中に上回るのは難しいと考える。米国株高など外部環境を材料に、寄付きから大きく窓を開けてこの水準を上回る以外、日経平均は上値の重い展開が続くと見る。ただ、東京時間29日未明のエヌビディア決算発表がそのきっかけとなる可能性は十分ある。