投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月26日~8月30日の動きを振り返りつつ、9月2日~9月6日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で283.48円高(+0.74%)の38647.75円と上昇。NYダウが連日で史上最高値を更新したなか、注目された米半導体メーカーのエヌビディアの決算は市場予想を上回る内容となったものの、期待感が高かったことなどから株価は下落。エヌビディア決算が起爆剤とならなかったことから、ナスダックやフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は方向感に欠ける展開に。東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体株が底堅い動きを見せたことから日経平均はしっかりとした展開に。8月30日は、月末最終営業日だったことで月末需給に絡んだ買い観測などもあり、75日移動平均線水準で取引を終えた。終値ベースでの月足チャートでは長い下影(下ヒゲ)を残し陽線となった。
なお、8月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を4089億円売り越したほか、TOPIX先物を1442億円買い越し、225先物は2492億円買い越したことから、合計155億円の小幅売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を291億円売り越すなど合計で565億の小幅売り越し。なお、信託が現物を1362億円買い越した。
日経平均は75日移動平均線が位置する38640円水準に到達したが、ここから上は重くなりそうだ。プライム市場の売買代金は、MSCIリバランスが入った8月30日を除くと4兆円に届いておらず、「閑散に売り無し」。8月上旬の乱高下で70ポイント台まで急騰した日経平均VIは21ポイント台まで低下しており、市場は落ち着きを取り戻しつつある。ただ、9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、19-20日の日本銀行の金融政策決定会合、9月末の自民党総裁選といった重要イベントを控えていることから、日米金融政策と日本の政治・政策の方向性が明確になるまで腰の据わった投資資金流入は難しいだろう。
9月相場入りの今週は、米国の雇用関連の経済指標への関心は高まるが、先物中心の上下に留まり、75日移動平均線を上回り39000円台を試す展開は先となりそうだ。価格帯別売買高で38000円台のボリュームが非常に多いことから、プライムの売買代金が4兆円に満たない状況では上値は重い。