今週の注目は、米雇用関連の経済指標となる。7月31日のFOMC声明文では、2年ほど使用していた、「インフレのリスクにより注意を払う」という表現をやめて、「雇用とインフレの双方のリスクに注意を払う」との表現に変わった。今後は、インフレだけではなく雇用にも注意するという米連邦準備制度理事会(FRB)の意思表示である。そして、ジャクソンホール会議での講演でパウエルFRB議長は、「強い労働市場を支えるためにできることを何でもする」と語った。つまり今週の米雇用関連の経済指標が市場予想を大きく下回る内容となった場合、雇用を刺激するために9月FOMCでの0.50%利下げを実施する可能性がある。9月FOMCを含め年内3回のFOMCが予定されているなか、市場は年内4回(1.0%)の利下げ実施を織り込んでいる。
今週の米雇用関連の内容次第では9月FOMCでの0.5%利下げが強く意識されて、8月5日につけた141円台を意識した円高ドル安が進む可能性はある。仮に141円台水準まで円高に振れた場合、円高メリット銘柄には追い風となりそうだが、日経平均は円安メリット銘柄の存在感が大きいことから先物主導で指数は下に動く展開となろう。一方、横ばい推移の25日移動平均線や200日移動平均線が37000円台前半に並んでいることから、8月上旬のような強烈な下落は回避されると想定。
今週にかけて、国内では9月2日第2四半期設備投資、3日に8月マネタリーベース、5日に7月毎月勤労統計、現金給与総額、6日に7月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、2日に中・8月財新製造業PMI、トルコ・8月製造業PMI、第2四半期実質GDP、3日に米・8月PMI(確報値)、8月ISM製造業景気指数、4日に豪・第2四半期実質GDP、中・8月財新コンポジットPMI、財新サービス業PMI、米・7月貿易収支、製造業新規受注、JOLTS求人件数、耐久財受注(確報値)、カナダ・カナダ中銀政策金利、5日に英・8月建設業PMI、欧・7月ユーロ圏小売売上高、米・8月ADP雇用者数、週次新規失業保険申請件数、8月PMI(確報値)、8月サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、週次原油在庫、6日に欧・第2四半期実質GDP(確報値)、米・8月雇用統計などが予定されている。