シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ(CME)が算出するFed Watchツールでは、0.25%利下げ予想が55%、0.50%利下げ予想が45%となっている。年末までに1.25%の大幅な利下げを予想する市場関係者が最も多く、市場の利下げマインドは非常に強い。今回のFOMCではドット・チャートも公表されることから、FRBと市場で生じている利下げスケジュールの大幅なズレがどこまで修正されるかも要注目である。
一方、今週末の日銀会合では「金融政策の現状維持」が市場コンセンサスとなっているが、先週、日銀審議委員から「タカ派」な発言が相次いだこともあり、日銀会合後の植田和男日銀総裁の記者会見への関心が非常に高まっている。
7月31日の記者会見での「タカ派」インパクトを市場は鮮明に覚えていることから、前回の「0.5%(の政策金利)が壁として意識されるかというと、とくに意識していない」と同様の発言があった場合、為替市場では円高が加速するだろう。円が年初来高値を付けている割に日経平均は崩れていないが、さすがに1ドル130円台という水準に入った場合、輸出関連銘柄を中心に売り圧力が強まると想定する。
9月第3週に入ることから、そろそろ優待銘柄や配当銘柄への関心が高まりそうだ。9月26日の権利取り最終日に向けて、9月決算企業や3月決算企業で中間配当・優待を設けている銘柄が動意付くと見る。仮に今週、為替の円高が進み主力の輸出関連銘柄の値動きが弱くなれば、優待・配当制度を設けている内需株が相対的に強含む可能性もある。
今週にかけて、国内では、17日に7月第3次産業活動指数、18日に7月機械受注、8月貿易収支、20日に日銀政策金利、8月消費者物価指数などが予定されている。
海外では、16日に米・9月NY連銀製造業景気指数、17日に独・9月ZEW景況感指数、欧・9月ユーロ圏ZEW景況感指数、米・8月小売売上高、鉱工業生産指数、18日に英・8月消費者物価指数、小売物価指数、生産者物価指数、南ア・8月消費者物価指数、米・8月住宅着工件数、週次原油在庫、FOMC政策金利。
19日に南ア・中銀政策金利、NZ・第2四半期実質GDP、豪・8月雇用統計、英・英中銀政策金利、トルコ・中銀政策金利、米・第2四半期経常収支、9月フィラデルフィア連銀景況指数、週次新規失業保険申請件数、8月中古住宅販売件数、20日に中・最優遇貸出金利、英・8月小売売上高などが予定されている。