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【山岡家、鳥貴族、サイゼリヤ】円安、コスト増を跳ね返して高成長を遂げた注目の外食3銘柄 円高局面でのさらなる業績向上に期待

丸千代山岡家(3399)

 豚骨ラーメンチェーンとして北海道と北関東で幹線沿いに「山岡家」という店舗展開で有名な同社は、9月13日に2025年1月期第2四半期決算を発表し、前年比で売上+34.6%、営業利益3.2倍、経常利益3.2倍、純利益3.5倍、という大幅成長を実現した。この業績成長に伴い、通期業績についても大幅な上方修正を行った。

 業績好調の理由としては、「人流の活発化やインバウンド需要の増加により、外食需要は増加傾向が続き、直営による出店、店内調理、年中無休かつ24 時間営業を基本とした営業を続け、業績拡大」したこと、「専用アプリやSNSを活用した情報発信及び販売促進、期間限定商品の継続的販売などの営業活動で新規顧客やリピーターの獲得し、来店客数が対前年同期比 120%台後半で推移し、既存店売上高は 28ヶ月連続で対前年を上回り、売上高は当初の予想を大きく上回った」ことが挙げられている。

 さらに、「来店客数増加に加えて、値上げ実施により、1店舗当たりの平均月商が上昇し、原材料費や人件費を始めとした店舗運営コストを吸収し、各利益も前年を大きく上回る水準を維持」と発表している。

 上期業績としては、売上高、各利益ともに過去最高となった。また円安環境におけるコスト増については気になるところだが、これについては、「原材料費やエネルギーコストの高止まりが続いており、物流コストの上昇や労働力確保に伴う人件費及び求人費用の増加も続いている現状を考慮し、販管費は増加見込み」と説明している。円安やエネルギーコストの高止まり、人手不足解消のためのコスト増という逆風を受けながらも、これだけ大幅な業績成長を実現していることになる。

 なお、この業績成長のペースは6月に発表した中期経営計画の最終年度の経常利益を上回る見込みであり、現在更新作業を行っているとのことで、中期経営計画の上方修正が行われることになれば、再度サプライズでの株価上昇を期待できるだろう。

エターナルホスピタリティグループ(3193)

 2024年5月1日より「鳥貴族」から名前を変更したエターナルホスピタリティグループは9月13日に2024年7月期決算を発表し、前年比で売上+25.3%、営業利益2.3倍、経常利益2.3倍、純利益3.5倍、という大幅成長を実現した。また配当の増額修正と増配も発表し、発表翌日の株価は前日比+15.7%と急騰した。

 同社は関東・東海・関西以外の新たなエリアへの「鳥貴族」の出店を継続し行い、、鹿児島県、徳島県、石川県、宮城県への初出店を実現し、着々と全国進出を遂げている。独自のトリキアプリ戦略も奏功し、リピーターの獲得にも成功している。また、チキンバーガー専門店のTORIKI BURGERは関西のフードコートにも進出した。

 円安環境や人手不足などで気になるコスト増については「国際情勢の悪化や円安によるエネルギー資源や原材料価格の高騰、人件費の上昇により依然として厳しい経営環境」と説明しているものの、やはりそれを吸収し大幅な業績成長を実現していることがわかる。今後の海外進出を見込み、社名を「鳥貴族」から「エターナルホスピタリティグループ」に変更したとのことだが、着々とその地盤が出来上がってきていると言えるだろう。今後の同社の成長に注目していきたい。

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