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権力の核心

【元首相補佐官が分析】10・27総選挙が「自民・公明連立の曲がり角」になる理由 25年間の選挙協力関係が機能停止する可能性も

自公の関係は変化するのか(左から自民党の石破茂首相、公明党の石井啓一代表/時事通信フォト)

自公の関係は変化するのか(左から自民党の石破茂首相、公明党の石井啓一代表/時事通信フォト)

 来る10・27総選挙に向けて、与野党の動きが加速している。旧統一教会や裏金問題の醜聞に揺れた石破茂首相率いる自民党は政権の座を保持するのか――そのカギとなるのが、自民党と公明党の「選挙協力体制」だが、今回の選挙結果によっては両者の関係性が大きく変わる可能性があるという。菅義偉内閣の首相補佐官を務めた経歴を持ち、最新刊『権力の核心「自民と創価」交渉秘録』(小学館新書)が話題の帝京大学教授の柿﨑明二氏が解説する。

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 今月27日に投開票される衆院選の序盤情勢についての大手新聞社の調査結果が出そろった。各社のトーンには与党の自民、公明両党の「過半数公算大」から「過半数割れの可能性」まで幅があるが、自民党が単独過半数を維持できるかどうかについては「不透明」という見方で一致している。

 政権交代した2009年衆院選では、自民党は181議席減の119議席に落ち込み、308議席を獲得した民主党に惨敗した。そのときのように対応のしようもなく政権を失うようなレベルではないが、石破茂首相の退陣の有無、また政権運営上の枠組みが「自公+α」になるか否かかが焦点となりそうだ。10月5日に連立発足から25年を経た自民・公明関係は、2009年の下野以来の見直しを迫られる曲がり角となりそうな状況である。

 新聞各社の序盤情勢調査についての見出しは次の通りだ。
 
毎日新聞「与党 過半数の公算大 自民「単独」維持視野」
読売新聞「与党、過半数見通し 自民苦戦、立民増の勢い」
日経新聞「自民、過半数割れの可能性」
産経新聞「与党過半数 激しい攻防」(*共同通信調査)

 与党にとって情勢が良好な順番に並べている。10月1日に発売した拙著『権力の核心「自民と創価」交渉秘録』では、自民党と公明党の関係を「連立政権」ではなく、連立政権樹立を前提として、緊密な選挙協力を築き、稼働させ続けた体制を政党ブロック(連合)と呼んだ。そして、自公ブロックが優位だった1999年から2024年の四半世紀を連立政権発足年にちなんで「99年体制」と定義した。

 保守党を含めた自公ブロックで初めて臨んだ2000年衆院選以降、2003年、2005年と自民党は小選挙区選での、公明党は比例代表選での得票数を伸ばし続けた。自公ブロックでは、小選挙区での候補を統一、相互支援を行う。つまり、小選挙区で公明党は候補者を絞るため、圧倒的に自民党の候補者が多くなるが、その自民候補の多くは「比例代表は公明党に投票して」と呼びかけるバーター協力を行う。自公双方が、ある程度の議席数を保ってきた背景はその成果と見られる。

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