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権力の核心

【元首相補佐官が分析】10・27総選挙が「自民・公明連立の曲がり角」になる理由 25年間の選挙協力関係が機能停止する可能性も

 仮に投票率が低迷したまま、自民党が単独過半数を割るようなことがあれば、投票率の問題は弱点というよりも、自公ブロックの弱体化を意味する。そもそも緊密な選挙協力を可能ならしめている公明党の支持母体である創価学会の得票力が落ちてきている。全有権者に対する得票率「絶対得票率」が、比較可能な参院選では2004年の8.4%以降、減り続け2022年で5.88%と最低を記録している。

 拙著『権力の核心「自民と創価」交渉秘録』では、自公ブロックと99年体制を支えるものとして、自民党結党直後の「岸信介首相――戸田城聖・第2代会長」「佐藤栄作首相――池田大作・第3代会長」の関係から続く、首脳同士の自創連携があると指摘した。しかし、それも昨年の池田氏の死去に象徴されるように弱まりつつある。今回の衆院選が99年体制の曲がり角となる可能性は高い。

【プロフィール】
柿﨑明二(かきざき・めいじ)/1961年、秋田県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、毎日新聞社を経て共同通信社に入社。政治部で首相官邸、外務省、旧厚生省、自民党、民主党、社民党などを担当した。政治部次長、論説委員兼編集委員、菅義偉内閣首相補佐官などを経て2022年より帝京大学法学部教授。近著『権力の核心「自民と創価」交渉秘録』(小学館新書)が話題となっている。

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