誰しもが少ならからずもっている、“食へのこだわり”。飲食店においては、料理を作ったシェフのこだわりならいざ知らず、なかには友人や知人から、食べ方のこだわりを指南されるケースがある。そうした場合に、「好きに食べさせて!」と内心思っている人は少なくないようだ。当たり前のことだと思って伝えたアドバイスが、相手に不快な思いをさせていないだろうか──。
ラーメンチェーン店で「何それあり得ない」
都内の会社員・Aさん(30代男性)は、上司とともに“家系ラーメン”のチェーン店に行ったときの体験を明かす。
「横浜家系ラーメンのチェーン店で、上司と一緒に昼食を摂ったときのことです。店員さんから『お好みは?』と聞かれて私は『普通で』と答えました。そうしたら、上司から『普通って何それ、あり得ない。“硬め・濃いめ・多め”がデフォルトだろ』と言われて、ウザかったですね……」
家系ラーメンでは、麺の硬さ(硬め・普通・柔らかめ)、味の濃さ(濃いめ・普通・薄め)、油の量(多め・普通・少なめ)をそれぞれ選べることが多い。その時ベーシックな味を楽しみたかったAさんは「普通で」と答えたのだ。
「ラーメンマニアがこぞって通う有名店に初めて行った、というようなシチュエーションなら、おすすめの食べ方をアドバイスされるのは嬉しいですよ。でも、上司と一緒に行ったのはいわゆるチェーン店。そういうお店の良さは、自由に食べられることだと思うんですよね。にもかかわらず、人のチョイスを否定するなんて、本当にいらないアドバイス。もう、うんざりです。それ以来、その上司とは一緒に食事をしないようにしています」(Aさん)