ホンダと日産の経営統合への期待
一方で、個人的にはホンダと日産の経営統合には期待している。今後は両社を傘下に置く持ち株会社が発足し、ホンダと日産という会社とブランド名は今後も残る。日産でいえばGT-RやフェアレディZなどカーマニアに人気の高い車種が消えるわけではない。また、日産と企業連合を組む三菱自動車もこの統合に合流すると報じられた。3社連合が実現すれば、販売台数で世界3位に浮上する。
私自身、10年ほど前からホンダのN-ONEという軽自動車に乗り続けている。ホンダ車は高速走行時に「ブイーン」という心地良いエンジン音で加速するので、運転が実に楽しい。エンジン音が静かでファミリー向けの車が多いトヨタに対して、ホンダと日産はマニアに好まれる尖った車作りが得意という共通点を持つ。経営統合について両社の社風の違いを危惧する声も多いが、社風の違いで揉めることは少ないのではないか。
持ち株会社の社名について、私はラジオ番組で両社の頭文字を取って『ホンジツ』、そこに三菱が加わったら『ホンジツ三菱』がいいと言った。ところが、共演者の共感を得られるどころか、「お前はバカか」と一笑に付されてしまった。ホンジツに代わる妙案はいまのところ浮かんでいない。
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現在、マネーポストWEBでは、別記事《【独占手記・全文公開】森永卓郎氏、がんステージIV「余命4か月」宣告でも精力的に生きられる秘訣 お金、健康、人間関係の整理…常識に囚われない心得を明かす》にて、週刊ポスト1月27日発売号に掲載された森永さんの手記を全文公開している。資産整理、治療の様子、気の持ちよう、そして最愛の家族も含めた人間関係についてまで、がん宣告されてから亡くなる直前まで、森永さんがたどりついた考え方を詳細にレポートしている。
【プロフィール】
森永卓郎(もりなが・たくろう)/1957年7月12日生まれ。東京都出身。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。近著に『身辺整理』(興陽館)『投資依存症』『書いてはいけない』(ともに三五館シンシャ)など。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍中。
※週刊ポスト2025年2月7日号