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【法律相談】「クレジットカードの支払い延滞で裁判を起こされた過去」が就職先にバレたら、解雇される可能性はあるのか? 弁護士が解説

カード滞納で訴えられた過去が会社にバレたらどうなるのか?(イラスト/大野文彰)

カード滞納で訴えられた過去が会社にバレたらどうなるのか?(イラスト/大野文彰)

 就職する際に経歴を申告するのは普通のことだが、中には隠しておきたいこともあるだろう。たとえば、借金やその滞納で裁判になった過去を後から会社に知られた場合、解雇されるようなことはあるのだろうか。弁護士の竹下正己氏が実際の法律相談に回答する形で解説する。

【質問】
 息子のことで相談です。息子は以前、クレジットカードの支払い滞納で裁判を起こされ、現在も分割で返済しています。先日、やっと就職が決まったのですが、面接ではそのことは話していないそうです。もし、訴えられた過去がバレたり、この先の返済が滞ったりしたら、会社を解雇される可能性はあるのでしょうか。(埼玉県・60才・主婦)

【回答】
 雇用契約に適用される就業規則は会社によってさまざまですが、大抵は普通解雇と懲戒解雇に関する定めがあり、解雇できる事由をそれぞれ定めています。従業員がどれかの解雇事由に当たらない限り、会社は解雇できません。

 多くの就業規則を見てきましたが、従業員に借金があったり、債務の履行を延滞したりすることを解雇事由として規定している例は見たことがありません。

 借金をすることは日常生活においてありふれたことですし、諸般の事情でその返済を遅らせてしまうこともあり得ることです。貸金請求の裁判を提起されたり、貸金回収のための給料差し押さえを受けたとしても、雇用契約にもとづく労務の提供に支障をきたすことではありません。

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