人気商品の“代理購入”に手間賃は必要か(イメージ)
推し活ブームが続く中、グッズ購入支出も増えている。マーケティング事業を手がけるCDGと推し活関連物販・メディア運営を行うOshicocoの「推し活実態アンケート調査」によると、2024年の1年間で推し活にかけた1人あたりの金額は平均25万5035円だった。カテゴリー別では、「公式グッズ」(30.7%)がトップで、約9割の人が「1年前よりお金をかけるようになった」と回答している。
グッズ購入の消費拡大とともに、「個人間での代理購入」も活発だ。リアルの友人関係やSNSでも、ライブやコラボイベントなどのグッズ購入にあたり、現地に行く人が代理購入を募集する、現地に行けない人が依頼するといったケースは珍しいことではない。
大手質問投稿サイトでは、この代理購入の「手間賃」をめぐる投稿が注目を集めていた。投稿主は買い物に出かけたら、“ついで”に友人から購入を頼まれて購入したのに、商品代金以外の対価を何ももらえず不満を感じたとボヤく。個人間の手数料について、払う・払わない、それぞれの立場の人たちに意見を聞いた。
猛暑のなか並んだのに…
「ついでとはいえ労力がかかっているわけですから、対価は必要です。何らかの形で“手間賃”を払うべきだし、もらう権利があると思いますよ」
そう語るのは、都内在住でIT企業勤務の30代男性・Aさん。自身の場合、代理購入をしてもらった相手には、商品代の端数を切り上げてちょっと多めに渡す、あるいは数百円のAmazonギフトカードを贈るなどしているそうだ。
「いくらリア友や、SNSなら相互フォローし合う仲でも、感謝の気持ちを表すのは大事かなと思って。とはいっても、あまり大げさなものではなくて、本当に気持ちって感じですけど」(Aさん)
Aさんの考えの背景にあるのは、かつて“タダ”で引き受けて不満だった経験だという。
「友人から真夏に、“有名ブランドのTシャツを買ってきてくれないか”と頼まれた時のことです。彼が好きなアーティストとコラボした限定品だそうで、その店はうちから自転車で行ける距離。とはいえ、猛暑日で、開店前に行くだけでもなかなかの過酷さでした。
無事に商品をゲットして郵送したのですが、友人は送料と商品代金を振り込むという事務的な連絡だけ。いやまあ、いいといえばいいのですが、もうちょっとねぎらってほしかった(笑)。あんなに暑くて大変な思いをして並んだんだから、“転売したら結構稼げたかもな……”とかよからぬ気持ちも頭をよぎりましたよ。実際、フリマサイトでは定価の3倍ぐらいの価格で売れていましたからね。
しかも、一度代理購入をやってあげたことで味をしめたのか、またお願いしてくるようになった。2回目に頼んで来た時には思わず『お前、自分で並んで買った経験ないだろ?』と突っ込んでしまい、関係が疎遠になりました」(Aさん)