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ビジネス

【みずほ銀行・貸金庫窃盗事件】1億円超の現金・金塊を盗んだ元行員女性の素性“別の窃盗事件でも逮捕されていた” 現在は「ちゃんと働いている」と家族が取材に応じる

 第一勧業銀行(現みずほ銀行)で広報部次長を務めた作家の江上剛氏は、古巣の対応に憤る。

「とにかく不祥事は公表する。隠そうとしてフタをしても周りに悪臭が漂って総会屋などに嗅ぎつけられ、脅しに使われるという過去の苦い経験から、すべてを公表するという伝統を作ったつもりでした。今回の対応にはがっかりしています」

 みずほ銀行は非公表としてきた理由について、「被害者の一部が公表を望まなかった」「顧客との関係を踏まえた」などと説明している。しかし、江上氏は「6600万円の被害があり、懲戒解雇もしている事案であれば、対外的に公表すべきではなかったか」と評した。

逮捕もされていた

 加藤頭取の説明で各社の記者を驚かせたのが、これまで表に出ていなかった元行員女性の素性だ。実は、2021年に別の事件を起こして窃盗容疑で逮捕されていたのだ。

 元行員女性は、貸金庫窃盗をしていたとされる時期と重なる2017~2019年に、顧客から融資の申請があったと上司に嘘の報告をして、行内のシステムを不正に操作することを繰り返した。現金約5200万円を盗み取った疑いで逮捕・起訴された。二つの事件を合わせると、元行員女性が盗んだ金額は1億円を優に超える。

 当時、事件を担当していた全国紙の社会部記者は振り返る。

「元行員は逮捕時に『仕事のストレスがあり、(盗んだ現金は)海外旅行や洋服の支払いに充てた』と供述していました。多い時は毎月のように100万~600万円を盗んでいたようです」

 みずほ銀行は自らが被害者となったこの事件では元行員女性を刑事告訴する一方、貸金庫窃盗についてはその対応を取っていない。同行にその理由を問うと「直接の被害者がお客さまであることから、お客さまのご意向も踏まえつつ、警察に相談のうえ、お客さま、警察に可能な限り協力することにしました」(広報室)と説明した。

 同様に貸金庫窃盗が起きた三菱UFJ銀行やハナ信用組合では容疑者が逮捕された。ただ、みずほ銀行の元行員女性は貸金庫窃盗の罪は問われず、ローンの虚偽申請による窃盗のみで懲役3年6か月の実刑判決を受けた。

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