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投資
伝説のプログラマーが説く「メタトレンド投資」の極意

富豪番付でかつての部下がビル・ゲイツ氏の資産額を上回った理由とは? 伝説のプログラマー投資家・中島聡氏が解説する「長期投資の真骨頂」を体現した劇的な出来事

ポートフォリオは偏っていい

 投資の世界には「卵を1つのかごに盛るな」という有名な格言があります。複数の銘柄に分散投資することでリスクを軽減すべきだという、投資の鉄則を説いたものです。

 しかし私の実際のポートフォリオはこの格言とは対照的に、かなり偏った構成になっています。気になった企業には少額投資をしてみるため、保有銘柄数自体はそれなりの数になっています。ただし時価総額ベースで見れば、ポートフォリオの約9割をIT業界の上位7社が占めている状態です。

 仮にIT業界全体がドットコムバブル崩壊のような深刻な危機的状況に見舞われれば、私のポートフォリオが壊滅的なダメージを被こうむることは避けられないでしょう。

 しかし私はポートフォリオの極端な偏りをさほど気にしていません。むしろ、推し投資を実践した結果として必然的にこうなったとさえ考えています。

 推し投資の場合、投資先が自分の得意分野や、関心の高い業界に偏ってしまうのは自然な流れです。私のように長年IT業界に身を置いている人間であれば、投資先もIT業界に集中してしまうのは仕方ありません。

 ポートフォリオは偏っても仕方がないと納得したエピソードがあります。

 以前、メリルリンチ(現BofA セキュリティーズ)のファイナンシャル・アドバイザーに会う機会がありました。彼は教科書的な「分散投資」の視点から、私のポートフォリオを分析しました。すると非常に驚いた様子でこう言いました。「通常では考えられない偏り方です。これほどIT株に偏ったポートフォリオはリスクが高すぎます」と。

 ところがミーティングの終盤、彼はこう漏らしたのです。「でも正直なところ、このような投資スタイルを実践できるのはうらやましいです。私にはとても真似できません」

「偏り」は大きなリターンを得るための「強み」にもなる

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