米価格の高騰が続く(イメージ)
米の価格の高騰に歯止めがかからない。米価格が上がるのは一部民間会社が米の流通を妨げているからという指摘もあるが、そうした業者を罰する法律はないのだろうか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。
【質問】
米の値段が爆上がりです。一部の民間集荷業者などが米を溜め込んでいるせいで、価格が上がっているようです。これって、正しい経済活動だとは思えません。米は日本人の主食。なのに、自分たちの利益のためだけに市場を操作しようとしているのが許せません。こういう業者を罰することはできませんか。
【回答】
米を溜め込み、売り惜しみを行ない、儲けようという業者がいても、自由競争の経済のもとでは、それだけで罰することはできません。
戦中戦後の食糧難の時代には、『食糧管理法(食管法)』により、国が米を買上げ、消費者に消費者米価で供給する方法で、米の流通と、米価を厳しく統制していました。その後、米の需要が減少し、ある範囲で農家が自由に米を売れる自主流通米を認める時代を経て、1995年に『食管法』が廃止され、農家の米販売については、制約がなくなりました。
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