二度と聞き出せない口座の預金は消失したも同然。そうした「休眠口座」は毎年約700億円ずつ増え、総額6000億円を超えるという。
「安全で家族がわかりやすい場所に通帳や印鑑を保管し、ネット銀行やオンラインバンキングのIDやパスワードは紙に書き残してもらいましょう。また、口座がいくつもある場合は、名義人が亡くなって口座が凍結されるのに備えて1つにはまとめず、2~3口座程度にまとめておきましょう。定期預金口座は、生前に普通預金口座に戻しておくのが賢明です」(明石さん)
そのほか、株式や投資信託などの「金融商品」や「生命保険」、自動車などの「その他の資産」も同様に書き出す。
「生命保険は、親の死後に『保険証券』が見当たらないケースも多い。保険金は、自ら申請しない限り支払われず、受け取りの時効は原則3年と決められています。保険証券が見つからなければその存在にも気づけないため、最悪の場合、保険金が永久にもらえないということもあるのです。
保険会社から定期的に届く契約状況の通知や生命保険料控除証明書など、手がかりになりそうな書類を捜すのも有効ですが、生前に保険の存在を知っておくのが何よりの最善策です」(明石さん)
洗い出した各資産はすべて合計し、「遺産総額」として算出しておこう。そうすれば、基礎控除額や相続税の計算が容易になる。
※女性セブン2019年6月6日号