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働き世代の管理職の病気リスク 高収入女性は乳がんになりやすい傾向も

乳がんと高収入には因果関係が(イメージ)

乳がんと高収入には因果関係が(イメージ)

 年収と肥満率は反比例し、年収が低い人ほど、肥満の割合が高いという研究データがある。2015年に発表された厚生労働省「国民健康・栄養調査結果」によれば、所得が600万円以上の世帯に比べて、200万円未満世帯の人は、肥満の割合が高いことがわかった。

 問題はそれだけではない。低所得世帯の人は「穀類の摂取量が多く、野菜類や肉類の摂取量が少ない」「習慣的に喫煙している者の割合が高い」「健診の未受診者の割合が高い」「歯の数が20本未満の者の割合が高い」ことも明らかになっている。

 貧困と病気のかかわりは密接だが、とはいえ、年収が高いからといってそれだけで病気になるリスクを回避できる訳ではない。むしろ、高収入だからこそかかりやすい病気や不調もある。

 国際医療福祉大学医学部教授の和田耕治さんによれば、「“働き世代”である25~64才までの男性の部長や経営者クラスの管理職は、ほかの職種と比べて、がん、心筋梗塞、脳卒中、そして自殺率が高い」という。この死亡率は、フィンランドやデンマークなど欧州に比べてもかなり高い。

「調子が悪くても病院に行く時間がないなどの理由で重症化し、死亡している可能性があります。また、仕事に対するストレスも多い。ストレスは最近はがんのリスクともいわれているし、自殺も当然、ストレスと関連します。また、女性の働き世代の管理職もほかの職種と比較しても死亡率が高く、事務職や販売職で働く女性と比較すると6倍高いというデータもあります」(和田さん)

管理職・専門職の死亡率(35~64才男性)

管理職・専門職の死亡率(35~64才男性)

 ストレスがかかると体の免疫力が下がったり、遺伝子を傷つけてがん細胞を発生させる要因になる活性酸素が増加したりするといわれている。ストレスは免疫を下げるだけでなく血圧を上げたり消化器系の働きを抑えたりするため、血栓もつくられやすく、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも上げてしまうのだ。

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