2月17日から確定申告の受付が始まるが、その際に様々な控除を申請すれば納めた税金が戻ってくる。住宅ローン控除、医療費控除、社会保険控除、自然災害や盗難被害を受けた場合の「雑損控除」などを積み重ねていくことで、納めた“税金がすべて戻ってくるケース”も十分に起こり得る。
65歳で退職した際、住宅ローンが約1000万円残っていたAさんの場合で考えてみよう。
Aさんの収入は、給与200万円に年金200万円の400万円で、退職金1500万円を一時金でもらった。これらを合算した所得税はおよそ30万円だった。
そこから住宅ローン残高(還付額10万円)に加え、要介護の父の医療費が約100万円かかっていたことによる還付の約4万円、さらに社会保険料、地震保険料や生命保険料などの控除を積み上げることで、源泉徴収されていたおよそ30万円がそのまま戻ってきた。
確定申告には住民税の節税効果もある。Aさんは所得税額がほぼゼロになり、その年の地方住民税も大幅に下がった。確定申告しなかった場合と比べると50万円以上も家計にプラスがあったことになる。
まずは相談会へ行ってみる
このように多くの効果が見込める確定申告だが、今年の申告期間は2月17日から3月16日まで。初めて申告を行なう人は、各税務署が開催する「相談会」に参加するのも良いだろう。『あっという間にかんたん確定申告』の監修者で税理士の山本宏氏が指摘する。
「相談会といっても、実際は確定申告の手続きをほぼ代行してくれます。会場はビルの大きな貸しホールなどが多く、相談員は税務署員と地元の税理士会の税理士が半々ほど。申告者は必要書類さえ持参すれば、あとは相談人が事細かに教えてくれ、パソコン入力のサポートまで行なってくれます。入力後は申告書をプリントアウトして認め印を押せば、その場で受理されるのでとても簡単です」