新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界レベルでの外出自粛要請は、ネットショッピングへの需要を高めるとともに、自宅でのインターネット閲覧時間も増加しており、こうした変化を加速させている。
牧畜業では、監視システムを使った家畜の管理システムが普及し始めた。アリババなどは、投資規模の大きくなるこうしたプロジェクトに対して、「貧困撲滅ファンド」と称して投資活動を行っている。AIを使うことで、家畜の数や、その健康状態などを常にチェックすることができる。発情期、種付けの時期の判断や育成の過程で大いに役立つばかりか、肌の色や、乳腺状況などの画像診断を通して、病気の発見にも効果を発揮する。
日本の農業と比較すると、中国は背後に巨大な市場があり、それによる規模の経済は大きい。農業のインターネット+を通して、その差は更に拡大する可能性がある。投資家にとっては、中国の農業セクターは成長産業と捉えることができそうだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。