新エネルギー自動車販売も不振から脱却か
注目の新エネルギー自動車の販売台数は7.02万台で▲25.8%減と厳しい状態が続いているものの、4月と比べれば19.5%増加している。新エネルギー自動車の不振は、2019年3月に決定された新エネルギー自動車メーカーへの補助金支給条件の厳格化が要因である。猶予期間があって6月26日以降、実施された。しかし、今回の消費促進政策によって、2020年末に予定されていた補助金政策自体の打ち切りは2年間延期されることになった。これによって、新エネルギー自動車販売も勢いを取り戻すであろう。
政府は今年の経済運営方針として、目立った景気刺激策は取らないが、成長戦略を加速させることで、景気を下支えようとしている。自動車販売がこの先伸び悩むようなことになれば、さらに新エネルギー自動車への販売促進に繋がる政策が打ち出される可能性がありそうだ。
新エネルギー自動車メーカーでは、テスラの中国における販売台数が1万1095台となり、4月と比べ205%増で中国国内トップとなった。ドイツ系合弁会社も前月と比べ販売を伸ばしており、NASDAQに上場する蔚来汽車などの新エネルギー自動車専業ベンチャーも存在感を高めている。
電気充電スタンドやスタンド向け電力供給としての太陽光発電の充実、リチウム電池の性能向上、5G対応による電気通信回りの用途開発など、電気自動車関連の需要拡大といった波及効果も期待される。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。