話題の店や目的の品を求めワクワクしながら並ぶ人から、必要に迫られ渋々並ぶ人、なくては困る日用品争奪でイライラしながら並ぶ人まで、現代人は行列と無縁ではいられない。食のはやり廃りはめまぐるしいが、行列ができるほど人気となったおいしいものは忘れない。
一世を風靡した『クリスピー・クリーム・ドーナツ』やパンケーキなど、行列のできた食べ物は多かった。『東京ディズニーランド(TDL)』やラーメン、スキーなどの行列を独自に調査してきたコラムニストの堀井憲一郎さんが語る。
「日本人の辛抱強さは、50年の行列文化でさらに磨かれた感があり、その背景には、スマホの登場で待ち時間が苦でなくなった面もあります。
ぼくは『ラーメン二郎』に行くときは最初から行列に並ぶつもりで行きますが、最近は“二郎”でも行列で密にならないように順番待ちアプリを使う店が出てきました。実際使うと時間帯が選べ、実に便利です」
また、トレンドウオッチャーのくどうみやこさんはこう話す。
「SNSやゲームで行列の待ち時間が潰しやすくなった以上に、“あと何人”と順番をカウントダウンしてくれるアプリ、セルフレジ、カートのままでのスマホ決済などテクノロジーの進化で今後の行列は大きく変化する可能性があります」
ソーシャルディスタンスを保って順番待ちできるオンライン行列も、ウイズコロナ時代には必要不可欠だ。
「行列にはいつか行きたいと思わせる力があり、コロナが落ち着いてくれば、行列はまた戻ってくるでしょう。行列のある社会の方が元気な気がしますね」(堀井さん)
一世を風靡した代表的なグルメやスイーツを振り返ってみよう。