「帝国航空」の再建に動く半沢直樹に立ちはだかるのは、江口のりこ演じる「白井国土交通大臣」と“黒幕”として君臨する「箕部幹事長(柄本明)」だった──。ドラマ『半沢直樹』(TBS系)では、一企業の再建にここまで政治家が介入するものなのかと驚かされる展開が視聴者の興味をそそったが、現実ではどうなのか。
「帝国航空」は2010年に経営破綻したJALがモデルとされているが、実際のJALの再建でもドラマさながらに政治家や官僚が暗躍していた。その他、東京電力や東芝、ダイエーなど、過去に経営危機に陥った企業の再建にも政府や役人の“口出し”が指摘されている。
そもそも、政治家が経営再建に介入する民間企業には特徴があると、埼玉学園大学の相沢幸悦教授(日本経済論)は語る。
「まずはその企業の経営によって日本経済などに影響が及ぶ場合です。次に、その企業に問題があった場合で、特に許認可関連の業種であれば、政府が強制的に介入したり指導したりすることがあります。そして、政府や政治家の利害にかかわる場合。金銭的な利害のみならず、政敵を叩くためや、国民の支持を得るためということもあります」
菅新総理の“圧力”
菅義偉・新総理誕生で、戦々恐々としているのが、携帯電話業界だ。総務相経験もある菅氏は、これまで携帯会社に料金を下げることを要求し、公約にも掲げている。
菅氏は2018年に「携帯電話料金は世界に比べて高すぎる、4割値下げできる余地がある」と発言し、総務省は電気通信事業法を改正。これによりNTTドコモはじめ携帯大手3社は、2019年10月に料金改定を実施している。