名刺やハンコ不要論が出るなど、時代とともに働き方が変わるなか、ビジネスマナーも変容しつつある。会議や打ち合わせ時に、PCやスマホでメモを取る社員も少なくないが、その行為が叱責の対象になることもあるようだ。戸惑う会社員たちの声を集めた。
30代の男性会社員・Aさんは、PCでメモを取っていた時に、50代の男性上司からかけられた忘れられない言葉がある。
「『クライアントに失礼だろ』と言われました。PCで仕事をするのに、会議でPCを使っていけない理由がわかりません。紙でメモを取っていたら、むしろPCでメモを取る時よりも下ばかり向くことになるし、追いつかないので相手が気を遣う。さらに字も汚くて読めなくなりがちだし、録音を後で聞き直してPCに打ち込むとか非効率極まりない。しかも紙に書くよりも、PCのほうが後で共有するのが圧倒的に楽です。
それなのに、ものすごくアナログというか前時代的な考え方だなと思いました。上司曰く、『タイピングするカタカタ音が気になってしまい、集中できない』『お客様の目をしっかり見ないとダメだ』とのこと」(Aさん)
Aさんは、その上司が同席する場合に限り、PCでメモを取ることはやめているという。一方で、同じ50代の男性でも気にしない人もいることを知り、「人によって見解が違う」のが厄介だと考えている。
「PCを持たずに会議に出たら、『PCは?』『メモとか取らなくて大丈夫?』と聞かれたことがありました。PCがないと仕事をしているように見えないという人もいるようで、考え方は、人によるとしか言えないのかもしれません。何が正解なんでしょうか」(Aさん)