「年収が高いだけではなく、なるべく大きい、安定していそうな企業に勤務していることも私にとっては大事でした。幸せはお金だけじゃない、という理屈もわかりますが、生活に余裕をもてるくらいのお金の安定は心の安定につながります。それを、身を持って学びました」(Aさん)
「結婚するなら、男だって相手に年収を求めたい」
「金銭面でのメリットがないと、結婚したくなかった」という男性もいる。20代の男性・Bさんは、都内の私大を卒業し、飲食業界で働いている既婚者。「男が“食べさせる”という時代でもない。僕は学生時代から、結婚するなら、共働きをしてくれる女性でないと無理だな、と思っていましたし、なんなら養って欲しい」と本音を漏らす。
「まず、僕の収入が平均以下。共働きで、世帯収入が大きく増えるんだったら、生活費のコスパも良くなると思いますが、そうでないなら、僕が2人分のお金を出すのは現実的ではなかった。しかも、仮に子供が生まれたとしたら、将来的にその子にかかるお金がいくらになるのか、その子が生活していけるのか、考えるだけで恐ろしい。
今後はもらえる年金だって減っていくでしょうし、現役世代一人あたりが支えないといけない高齢者の数もどんどん増えていく。さらに次世代となると、もっと負担が大きくなるわけでしょ?」(Bさん)
Bさんは母子家庭で育ったため、幼い頃からお金には苦労してきたという。自分の努力で稼げるようになるのが王道だとは思いながら、「高年収女性との結婚が貧乏脱出の近道」だとも感じていた。そして見事3年前、外資系企業で働く、海外大卒の30代女性と結婚した。
「結婚するなら、男だって相手に年収を求めたい。年上の女性に多いのですが、年収が低くても、相手にしてくれる人もいます。妻の場合は結婚条件が『オタク趣味を否定しない男性』で、僕はそんなの全然余裕でした。
リビングには推しのグッズが散乱し、土日は“地方遠征”で妻が家を空けることもしょっちゅうですが、自分で稼いだお金でやっていることですし、文句はありません。妻の趣味に関しては理解するように努め、否定や干渉は絶対にしない姿勢です。