牛丼チェーンの「すき家」が12月23日より、牛丼などのメニューの価格を改定した。『牛丼 並盛』は50円の値上げで、350円(税込み、以下同)から400円へ。『豚丼 並盛』も380円から400円に値上げされた。近年業界と問わずさまざまな商品で値上げが続くが、消費者はどう受け止めているのか。愛好家たちの反応を探ってみた。
「すき家」によれば、昨今の世界的な原材料や原油の価格高騰のなか、日本に輸入される米国産牛肉の価格や配送費なども上昇中といった状況を受けて、商品の品質維持と安定供給のため、今回の値上げに踏み切ったという。
牛丼チェーンでは、今年の秋から値上げラッシュとなっている。9月には「松屋」の『牛めし 並』が320円から380円に値上げし、10月には「吉野家」でも『牛丼並盛』の店内飲食価格が387円から426円に値上げされた。
大手3社ともに値上げとなった牛丼チェーンのメニュー。値上げについてネット上では、意外な反応も見て取れる。
〈むしろ顧客に正直でとても良いことだと思う。ちゃんと値上げしないからデフレスパイラルから抜け出せない〉
〈正直値段据え置きで量を減らされるより値上げして中身維持して欲しい派なのでこの方がいいです〉
〈量を減らされるより値上げのほうがよほどいいし400円でも安いくらい〉
このように、原材料高騰の現状を鑑みたうえでの値上げは仕方ないと感じ、その事実を正直に発表していることは好印象だという意見も多く投稿されていた。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「牛丼チェーンの利用者は、単純に“安さ”を求めているだけでなく、ボリューム感や味、そして“手軽に牛肉を食べられる”ということに重きを置いているように思われます。だからこそ、多少値上がりしても、これまでと同じクオリティーの商品が提供されるのであれば納得する、という意見も多いのでしょう。価格を変えずに内容量を減らすような“ステルス値上げ”に対しては反発の声が多いのですが、それをやらないことで逆に印象が良くなるというケースです」