橋本さん:その広告にはいいことしか書いていない。だから何回も見て、自分の買い物が正しかったことを確認しようとするんです。
オバ記者:薬も効能書きをちゃんと読むと効き目が違う気がするわよ。
橋本さん:それも「確証バイアス」の1つです。服用後に「この成分が効くんだ」と確認することによって、その薬を選んだ確証を得ようとしているのです。
オバ記者:自分が買ったものや行った店の評判をインターネットなんかで見て、評価が高いと気分がよくなるもんね。
橋本さん:もし評価サイトで星が少なかったら、人はそれをそっと閉じるんです。そしてすぐに別のサイトでいい評価を探す。自分が正しいという情報を見つけるまで、人は探そうとするんです。
オバ記者:損や失敗をしたと思いたくないって気持ちがあるからね。
橋本さん:そうです。根本にあるのは、“自分は正しい”という心理。正直言って、買った後に評価を再確認する必要はあまりないんですけどね。
オバ記者:デパートでバッグを買った後、「本当にこのバッグでよかったのかな」ってまた館内をウロウロして、遠目で同じバッグを眺めたりしちゃうこともある。何やってんだろって思うけど。
橋本さん:心理的バイアスはほかにもいろいろあります。たとえば、北京オリンピックで羽生結弦くんがメダルを取れなかったとき、「彼は足首を痛めていたんだよ」ってドヤ顔する人、いるじゃないですか。それは「後知恵バイアス」です。
オバ記者:あぁ、「そんなの知ってたわ。想定内よ」ってワケ知り顔をしたがる人ね、いるいる。
橋本さん:「現在志向バイアス」というのもあります。将来の利益よりも目先の小さな利益を優先する。今日は9000円だけど、明日まで待ってくれれば1万円あげるという話があったとき、せっかちな人は、「今日の9000円」を選んでしまう。
オバ記者:私はそのバイアスがめっちゃ強いかも……。