就職、昇進、転勤──新生活が始まる4月は、ムダを見直す絶好の機会。不要な保険でお金を減らすのも本末転倒だ。貧乏体質から抜け出すために知っておくべきこととは? 元国税マン芸人・さんきゅう倉田に聞いた。今回は「保険編」「仕事編」。【全5回の第5回。第1回から読む】
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【保険編】保険は基礎知識を身につけて選ぼう!
今年4月1日から成年年齢が引き下げられ、18才や19才でも自分の判断で保険契約ができるようになった。新社会人になると「生命保険は若いうちに入った方が掛け金が低い」と勧誘されることが多いが、言われるがまま保険に加入するのは考えものだ。
日本の場合、国民皆保険で高額療養費制度もあるので、たとえばひと月に100万円の医療費がかかったとしても支払う額は9万円弱(年収約370万~770万円の場合)で、大病を患っても膨大な自己負担にはならない。
「家族構成によっては保険料を払うより、その分貯蓄に回す考え方もあるでしょう。ただ入院して働けなくなって収入が途絶えるのは心配だし、家族がいればそうしたリスクに備える必要があります。だから、定期と養老と終身という種類の違いくらいは知っておいて、保険会社の人の説明を聞いて意味がわかるようにしておくといいでしょう」(倉田・以下同)
そこで、まず知っておくべきは以下の3つ。【1】定期保険は掛け捨てで保障期間が決まっている、【2】養老保険は貯蓄型で保障期間が決まっている、【3】終身保険は掛け捨て、あるいは貯蓄型で保障が一生続く、ということだ。掛け捨ては、保障期間に何かあれば保険金がもらえるが、何もなければもらえない。貯蓄型は満期返戻金が出るが、掛け捨てより保険料が高い。
こうした基本を押さえ、自分に本当に必要な保険かどうかをよく検討しよう。
保険は万が一に備えて安心を買うものとして、社会人なら入って当然と考えがち。
「でも、保険会社の人との会食時に『保険は入った方がいいか』と聞いたところ『配偶者も子供もいないのになぜ入るの?』と言われました。さらに、配偶者が共働きで経済力があれば不要な場合もあります。保険は“とりあえず”でなく、入る理由と基礎知識を意識することです」