誰かが家に来る予定があるなら、インターフォンが鳴ったときに対応するが、そうでなければ、インターフォンが鳴っても警戒したり居留守を使ったりする人は少なくない。そんな、インターフォンに苦手意識や恐怖心を持っている人たちの思いとは裏腹に、配達員たちが苦しんでいる現状もある。両者の本音を聞いた。
アポなし営業訪問に怖い思いをした
メーカーに勤務する20代女性・Aさんは、そもそもインターフォンの音が怖いという。
「アポありならまだしも、突然鳴るのが怖いんです。私が住むマンションのインターフォンは音量調整はできるのですが、完全にオフにできない。寝ている時に鳴ると、恐ろしくなります。サイレントモードがほしい」(Aさん)
アポなし営業訪問に悩まされたこともある。Aさんが住む1Kのマンションは、玄関のドアを開けたらすぐキッチンがある間取り。タイミングが悪い時に怖い思いをしたこともあった。
「料理中に訪問されると、最悪。一度、居留守を装うべく、料理の手を止めて、音を立てないように息を殺していたことがあるんですが、帰ってくれなくて。ノックして『出てきてください!いるんでしょ?』って……怖くないですか? 結局、インターフォンで、『今忙しくて時間がないので、資料があれば入れておいてください』と対応しました」(Aさん)
宅配便はできる限り時間指定にしていたが、最近は“置き配”にするようになった。
「一度、確実に配達員さんだと思ってインターフォンに出て玄関を開けたら、その後ろに営業の人も立っていたことがありました……。それ以来、コンビニ受け取りか、それができないものは、置き配もしくは直営店に取りに行くようになりました」(Aさん)